電気主任技術者の人材不足は…嘘!? ~電験取得してもすぐに採用されない理由~
- 転職×電験
- 2024.09.24
電験に合格された方からよくあるご相談。
「電気主任技術者は今人材が不足していると聞いて取得したのですが、採用が決まりません。
なぜなんでしょうか?」
そこには理由があります。
「電気主任技術者の人材不足」
ネットでもよく見かけるこの言葉に対して誤解が広がり、転職活動が上手くいかない方が多くいらっしゃいます。
一体どういうことかと言うと…
★この記事を見て分かること★
✅電気主任技術者の人材不足の現状
✅未経験から電気主任技術者になるための考え方
電気主任技術者とは?
そもそも電気主任技術者とは、ざっくりお伝えすると、電気を使用するための設備(電気設備)を保安監督する者となり、電気を多く使う施設では必要となる資格となります。
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電気主任技術者ってどんな資格?仕事内容・年収・取得方法まで完全網羅!【電験転職情報①】
電気は生活の中で今後も必要なモノですから、「この資格を取得していると食いっぱぐれることはない!」と昔は、工業高校(電気科)の先生もよく言われていたようです。
特に最近では、電気主任技術者の人材不足が社会問題としてありますので、それを受けて、「電験(電気主任技術者試験の略)に受かれば、転職できる!」という風に考える方が多い風潮があります。
また、電気主任技術者は主に試験で取得される方が多く(認定も条件がそろえば可能です)います。
試験の合格率は数%~最近は20%となっており、難しい試験です。
それもあって、電気主任技術者の資格は転職に大いに役立つと考えられやすくなっています。
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電気主任技術者の認定取得の方法 ~認定校・実務経験・認定の流れについて詳しく解説!~【電験転職情報②】
ここで注意しないといけないのが「電気主任技術者の人材不足」の現状です。
経済産業省の資料で見る「電気主任技術者の人材不足」の現状
平成30年3月12日に、経済産業省 産業保安グループ 電力安全課 より
『電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について』
が発表されました。
この資料の中では、現状分析に関して3つのポイントにまとめています。
・有資格者の数は、第2種、第3種電気主任技術者ともに中長期的にも想定需要に対して十分に存在。
・一方、業務ビルの増加と人材の供給減により外部委託を担う保安業界の第3種電気主任技術者が2045年には想定需要約1.8万人に対して4千人程度不足する見込み。
・ヒアリングによれば、2045年にかけて第2種電気主任技術者の選任が必要な大規模再エネ設備が増加するため、地域によっては第2種電気主任技術者の担い手の確保に苦労する可能性あり。
詳しく一つずつ読み取っていきましょう。
・有資格者の数は、第2種、第3種電気主任技術者ともに中長期的にも想定需要に対して十分に存在。
記載の通り、有資格者は電気主任技術者1種~3種の方まで、全て足りているということが分かります。
まず大前提として、有資格者が少ないという理由での人材不足というわけではないのです。
・一方、業務ビルの増加と人材の供給減により外部委託を担う保安業界の第3種電気主任技術者が2045年には想定需要約1.8万人に対して4千人程度不足する見込み。
ここで言う「外部委託を担う保安業界の第3種電気主任技術者」とは、「電気主任技術者3種の資格をもちかつ、実務経歴の証明を行うことができる技術者」のことです。
その技術者が4000人程度不足する見込みですから、未経験の方はここに含まれず、まず実務経験を積む事が大事になってくるのです。
・ヒアリングによれば、2045年にかけて第2種電気主任技術者の選任が必要な大規模再エネ設備が増加するため、地域によっては第2種電気主任技術者の担い手の確保に苦労する可能性あり。
地域によって第2種電気主任技術者が必要になるということですね。
電気主任技術者2種を必要とする再エネ設備は都市部には少なく、地方に多いので、その辺りの地域で働くことができる方が必要になると言われています。
電気主任技術者の現状をまとめ
~未経験の方が電気主任技術者になるために~
以上のことから、有資格者の数は足りている訳ですから、『電気主任技術者の人材不足』というよりも
『実務経験を積んだ電気主任技術者3種の人材不足』
もしくは
『地方で働ける電気主任技術者2種の人材不足』
が正しい表現と言えます。
それを踏まえて考えると、電気主任技術者を取得された未経験の方の場合、
・電気主任技術者3種の場合は、実務経験を積める職場に進むことが必要
・電気主任技術者2種の場合は、都市部ではなく地方に移住できるかが重要
となっていきます。
特に、実務経験が積める現場に関しては、電気主任技術者やその下で補助者として働くような、未経験で採用されやすい転職先を探すことが大切です。
しかし、未経験から実務経験を積むということは、企業側はイチから技術者を育てなければなりません。
資格者の数が足りている現状の中、業界によっては応募の対象年齢などもあり、採用枠が細く狭まります。
加えて皆さんの希望勤務地や希望年収なども加味すると、該当する転職先が大きく限られるのが実情となります。
だから、一番初めのお困りの声のように、採用がすぐ決まらないという声が上がってきやすいのです。
電気主任技術者になるために~ミズノワができること~
ミズノワとしては、電気主任技術者の勉強を始める前にこの業界の現状を知っていただき、その上で、取得後に転職活動を進めるのが良いのではと思っています。
▼対象年齢や条件面などはこちらの情報をチェック!▼
転職して電気主任技術者になるための7STEP【電験転職の流れ:完全版】
まずは自分が電験取得した後に転職先があるのかどうか、ぜひ上記リンク先も参考にしていただきながら、勉強にも励んでいただけたらと。
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~電気主任技術者の求人案内~
電気保安業界にご興味がある方たちのお手伝いができればと思っております。
ぜひ電験取得を頑張ってください!
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【著者情報】
電気主任技術者メディア編集部
電験や実務など、電気主任技術者にまつわる情報に特化したメディアコンテンツ制作集団。
電気主任技術者専門の転職エージェント株式会社ミズノワが運営する「電気通信ピカリ」内の記事を執筆・発信中。
転職エージェントとして、求人案内総掲載数240件以上、求職者様の総ご相談者数1,500名を超える実績を持つスタッフ監修のもと、分かりやすくて面白いメディア運営を進めております。