これからの時代の施設管理者はエンターテイナーになる!? ~ ドキドキワクワクする仕事へ ~
- 技術者インタビュー
- 2020.09.04
電験3種を活かした仕事の一つとして、設備管理先での電気主任技術者というものがあります。
でも折角、一生懸命頑張って電験3種をとって、そしてある施設の電気主任技術者となったとしても、そこに面白みを感じなければ、その方にとってつらい毎日になるかもしれません。
じゃあそもそも施設管理の仕事はどんなイメージなのでしょうか。
「施設管理の業務内容が会社によって違っていて今いるところは正直キツイ」
「人間関係が辛い」
「反対にすごくヒマで面白くない」
「設備が壊れてトラブルがあった時にめちゃくちゃ文句を言われます」
そんな噂をチラホラ聞きます…
でも今回インタビューさせて頂いた技術者さんはこんな希望を持っていました。
「設備管理ってやり方次第でもっとドキドキワクワクできるような仕事になると思っているんです」
その言葉を聞いた時、ディズニーランドのカストーディアルキャストさん(笑顔で清潔なパークを保つ掃除のエキスパートさん!)を思い出しました。
たとえ掃除でもそこにいるお客様を楽しませる考え。
ディズニーランドにはそういった指針がしっかりあると聞きます。
とはいっても現場はディズニーランドではないので、そう思うにはいくつかの障害があると思います。
でも、
ひょっとすると、
施設管理の仕事も同じような意識さえ持てれば、
可能かもしれない。
こう考えている人がいるならもっと増えたらきっと…
施設管理の世界はもっと明るくなる。
そんな今までにない考えをくれた方が今回のインタビューのお相手になります。
その方はteruteruさん。
カフェジカにも一度来てもらったことがあるのです。
しかも日本の一番南の県 沖縄からから来て頂けました!!!
そもそもteruteruさんはFacebookで電験の勉強グループ「電気主任技術者試験 情報交換」を作っていて、その運営をされている方。
ミズノワでも電サロという電験の勉強に役立てるためのグループを作っているのですが、上手く機能できておらず…
でもteruteruさんのグループは、始まりは数人でも今は100人以上の方が登録され、毎日投稿がある活発な電験グループなのです。
その中心人物はどんな人で、どんな想いを持っているのか、知りたくてお話していたのですが…
お話の最後に先の言葉が出てきました。
では、どんな流れで話は進んで行ったのか、お伝えさせて頂きたいと思います!
インタビュースタート!
電験3種取得の理由
~「電験3種の合格は無理」 だからこそ価値がある~
石垣島出身のteruteruさん。
大学は愛知県の法学部で宅建をとり、就職は沖縄へ戻りました。
福祉関係の仕事を経て転職。
その次は不動産会社で太陽光発電を売る部署に移りました。
電験との出会いはその時。
「太陽光発電の営業をする時に、電気の資格があれば説得力があるという話を聞き、何か資格を取ろうと思ったところ、電工2種はもう試験の申し込みが終わっている5月でした。ただ電験3種は申し込み可能だったので、同僚に相談したら『電験3種は無理』と言われ、そこまで言うなら価値のある資格なんだろうと思い受験することを決めました」
難しいから諦めるのではなく、難しからこそ価値がある…
そう判断されるteruteruさん!
そしてそのときは契約社員ということもあって、手に職もつけようと思ったのも動機の一つだったそう。
そこから3年がかりで、職も観光事業にも変わりながらも見事合格を果たしました。
「ただ電験3種だけではだめだと思い、その年には電工2種もとりましたね」
ここからもしっかり自身のこれからを見据えていたことがわかります。
通常、保安法人や保安協会なら保安点検業務が中心なので電験3種のみで十分なのですが、選任の電気主任技術者さんは色んなことをするのが通常なので、電工を持っているのも大事なこと。
その辺りも落ち着いて情報を集められていたのでしょうね!
そして電験3種を活かした転職活動が始まります。
「経験者しか受け付けていない設備管理の現場に『そこを何とか』と面接を希望しました」
やさしいその話しぶりからは想像しにくい熱さです!
その結果、熱意を買われて入社することになりました。道は開けるものですね!
そして現在はいくつかの現場を経て所長さんをしながら電気主任技術者でもあるという立場で働かれているそうです。
「電気主任技術者試験 情報交換」の始まり
~放課後の教室 + アクティブラーニング~
しかし、ここで止まらず今は電験2種に挑戦中。
ただ一人で勉強してもなかなか歯が立たない…
「電験3種の勉強も大変でした。ましてや電験2種はそれ以上にやる気がある人たちが受けていて、しかも合格率は5%(電験2種一発合格の割合)。まともに頑張っても一人だと難しいと思ったんです」
そこで思い出したのは高校時代。
放課後の教室で友達と教え合っていた日々。
「あれはなんで上手くいったんだろう…
もしかしたら自分と似た状況の人たちと勉強したら効率よく勉強できるかもしれない」
という戦略を立て、放課後の教室のような場を意識的に作ろうと決意。
そこにアクティブラーニング(学び合い学習)をミックスするとこも考えました。
それは…
「これは観光事業で働いていた時、PRイベントの企画を考える際に行ったワークショップから発想を受けました。それはアクティブラーニングの手法を取り入れたワークショップだったんです。コミュニケーションをとり、教え合うことで個々の力を上げていく。そんな仕組みを電験の勉強グループでも作ろうと思いました」
そしてFacebookに電気主任技術者試験情報交換というグループを作成することになりました。
なぜFacebookなのかというと、ここにも理由があります。
「TwitterなどのSNSは情報が流れていって、広く広がるイメージですが、Facebookは流れにくく、一つのテーマを掘り下げやすいです。他にも(過去の投稿の)検索がしやすいですね。それに(電験)2種の問題集は誤字脱字も多くて。それも共有できるようになりました。無駄がないです」
始めはもちろん一人からのスタート。
でも少しずつ人が集まってきて…
そして3年経った今では100名を超える人数になってきました。
「電気主任技術者試験 情報交換」の活用方法①
~電験3種2種も電工も質問もOK! + 教え合うことで価値のある時間作り~
ではこのグループの特徴はどんなところがあるのでしょうか?
「ここにはリーダーがいるわけではないです。だから気軽に投稿できる場でもあると思います」
リーダー不在。
まさにアクティブラーニングの場ですね。
みんなが同じような目線で教え合い学び合っていくのですね!
「それとはじめは電験2種のグループとして作っていたのですが、今は電験3種や電工2種でも使ってもらっています。それに高校生もいて、Facebookだと匿名性が少ないのもあるのでしょうね、友達に教えるように距離が近い関係になります。だから教えがいもあります」
電験、電工であればこのグループに入って学び合えるのですね。
そして距離の近さは本当の学校の放課後のようです!
そういう話をしている中、teruteruさんがこんなことを言われました…
「電験って山道を歩く感じだと思っていまして」
といいますのは?
「試験を受けて、こんなに落ちること今までになかったんです。そうすると、この1年何だったんだろう。勉強しなかったらもっと楽しい事できたんじゃないかなとか、無駄に思えてしまうこともあって…すごく苦しく山を登っている感じというか… だからこそ落ちたとしても価値のある1年にしたいと思っていて。ここではみんなで楽しく取り組めるように、山登りでいうハイキングのような時間にできたらと思っています」
なるほど!
電験山という大きな山道を進むときに、一人だと苦しんで進んで行ってしまうかもしれません。
そこを仲間を作って楽しんで登っていく。
山頂を目指すプロセスを仲間と一緒に楽しむという姿勢があるのですね!
「電気主任技術者試験 情報交換」の活用方法②
~実務の質問をすることで 上がる仕事のモティベーション~
そしてグループの質問は、資格の勉強だけに終わらないようで…
「設備管理の現場って引継ぎの期間も短くて、あったとしても初めてだと聞くポイントも分からなくて… もう自分で研究していくしかないですよね。だからグループで実務の質問もしたりしています。」
確かに、場所によっては現場での引継ぎは短いと聞きます。
現場を任された人にはたまったものではありません。
短い期間で、何をどう聞いたらいいのか質問も上手くできない状況も多いとも。
だからこそ、そういう実務の質問を解消できる場は大切ですね!
「それに、一つ一つを調べていくと電気の世界は奥が深いです。トラブルが発生した時に原因を探しているとそれをよく感じます。責任はあって大変ですがやりがいはあります。ただ何もない時はどうしてもモチベーションが上がりにくいので、自分でどうやりがいを見つけれるかを大事にしています。だから何かあった時のことを考え勉強したり、グループに実務の質問をしてやる気を上げています」
何もない時はモティベーションが上がりにくい…
そこを自ら克服しようとするのがとても自律されています。
普通なら楽な方向に流されていくところです。
でもそれもこのグループで質問をすることで解決させているのですね。
色んな活用方法があることが分かりました!
今後やりたい事はドキドキワクワクした現場作り
~設備管理の仕事をエンターテイメント的に~
最後に今後やりたいことを聞いてみました。
すると…
「設備管理ってやり方次第でもっとドキドキワクワクできるような仕事になると思っているんです。折角一生懸命勉強して資格を取って、好きで選んだ仕事なのに、生き生きと働いている人を見たことが少なくて。もしかして好きでい続けるのが難しかったかもしれないです。でもだからどうしたら好きでい続けることができるのか。もっとエンターテイメント的にできないのかなとか。
設備が壊れたとしてもすぐ直してびっくりさせたり、その職場のフロント側で働いている人たちを明るくさせることができるかもしれない。姿勢一つ、意識一つで変わっていくと思うんです。そんな設備管理の現場を作りたいと思っています。それに仕事を好きになると中身も伴ってくると思っていますから」
そんなteruteruさんはキレイな星を見るのが好きで、泳ぐのが好きで、だからこそ今いる町がどんどん好きになってきたそうです。
その町のどこかの施設をワクワクしながら働けるように、今も工夫を重ねていらっしゃいます。
そうするときっと町全体が魅力あふれるところになっていく。
そんな気がしました。
沖縄という県がもっと魅力的になっていく…
それは一人一人の働く意識が重なり合って溢れるものになるんだろう。
そして自分の働き方はどうなんだろう?
もっとワクワクしたものにしたい!
そう思わせてくれた素敵なインタビューでした。
このteruteruさんが立ち上げたFacebookグループ
「電気主任技術者試験 情報交換」
もし興味がある方はぜひご連絡下さい。
電験山に登る仲間を作って
試験勉強をするプロセスも楽しみに変えていきましょう
また必要な方は実務の質問をして
モチベーションアップやスキルアップにお役立てください
そしてドキドキわくわくするような 仕事に現場がかわるよう
ミズノワも含めて一緒に取り組んで行けたらと思っております!
みんなで楽しくできる仕事を作っていきましょう!
株式会社ミズノワ
電気業界に特化したCAFÉ カフェジカ東大阪を運営
電気主任技術者に特化した職業紹介を行い
技術者様と企業様とのミスマッチのない転職をサポートしている
その他電気情報を発信するウェブメディアや保安管理の見積もり相談など
様々な事業を展開中
TEL: 06-6743-6361 info@mizunowa.jp