講師紹介001「レジェンドと呼ばれるまで」Part3(全3回) | 電気主任技術者(電験)専門の職業紹介エージェント

ミズノワの電気通信 ピカリ!

ミズノワの電気通信 ピカリ!

講師紹介001「レジェンドと呼ばれるまで」Part3(全3回)

  • 講師紹介
  • 2019.12.19

2回にわたってお送りした、レジェンド内容の経歴。

話しを聞くだけで、現場の空気が伝わりとても充実した時間でした。

3回目の今回は、その中でも現在、電気主任技術者さんになろうとしている人たちに向けて2つのメッセージを頂きました。

「資格を一発で取っていくコツ」「電気主任技術者が怖さを乗り越える話」

電気主任技術者に必要な電験3種だけでなく、様々な資格をおちることなく取り続けたレジェンド。そのコツはとてもシンプルなモノでした。

そして、現場で電気主任技術者が抱える責任という怖さ… レジェンドはそれをどう乗り越えてきたのか。一つの参考に読んでみて下さい。

そして最後は、私、水島との対談。

レジェンドは(株)ミズノワがしているカフェジカに興味を持って下さって… 

対談はカフェジカがどんな場所なのか聞くところから始まります。

話をするにつれて、技術者の不足、高年齢化、災害の復旧作業の遅れと電気業界の問題が明らかになって… 

その問題を解決するために(株)ミズノワができることもお伝えできればと思います。



これからの電気主任技術者へのメッセージ

目次

・電気主任技術者が怖さを乗り越える話

・資格を一発で取っていくコツ

・レジェンド高田と(株)ミズノワの水島との対談(おまけ)



・資格を一発で取っていくコツ

――― 資格をたくさん取られてるじゃないですか。だいたい1発合格ですか?

一発合格。

――― みなさんすぐ合格することは少ないじゃないですかコツっていうのはあるんですか?

一発合格するしかない立場に追い込まれましたから、猛勉強しました。参考書を唯一の頼りにね。

――― 猛勉強ってどれぐらいですか?

だいたい毎日、家帰って7時から10時くらいまで毎晩。机の前にスケジュールを全部書いたんです。7時から8時まで何を勉強という風に、全部時間割を作ってその通り勉強して。それをとにかく一発合格しないと会社自体が切羽詰ってますから、とにかく1年中勉強しました。ただ私は勉強が非常に好きだったんです。これは中学生の時から好きだったんです。だから毎日何をするスケジュールを立てるクセがあったので。電験もそうでした。毎日科目ごとに、今日は電気理論、明日は電気機械。その通り勉強して。

――― 時間スケジュール通りに勉強されるじゃないですか、それはきちっと終わるんですか?

きちっとやります。今でも私時間割でやっています。朝7時から10時までのうち、勉強は6時間しています。その他は執筆の仕事や雑用などもやってます。

――― 色んな勉強されるじゃないですか。全部に面白いと感じるんですか?

面白いんです。面白いからできるわけなんです。自分が一つ読んで理解できるとね、そこで面白みができるんですよね。理解ができるんですよ。そうするとそれが面白くなる。そしたら次はまたこれを勉強したらこれが面白いだろうと。それをまた理解すると面白くなる。それの繰り返しやから。だから続けるわけなんです。

――― 知らないことを知っていくのが楽しいんですね。

理解できるためには、それまでの蓄積が必要なんですわ。それを生かしてまた次を理解していく。それの繰り返しです。

・電気主任技術者が怖さを乗り越える話

――― 現場って色んなことがあって怖さもあると思うんです。どうしたらその気持ちを乗り越えることができるんですか?

それにぶち当たっていく。もう事故があったとしても、そこにぶつかっていくしかないわけなんです。逃げるということはしない。逃げてはいけないんです。だから大分私も相当疲弊したこともありますよ。

――― でも、怖いじゃないですか

怖さというのは、ケガとか病気とかいう怖さもあるけども。電気主任技術者の事故で一番怖いのは停電の事故です。私はこれで精神的に痛められてきたことがあります。工場勤務の時はメインの遮断機落として、3時間か4時間全停させたことがあるんです。工場1時間止めたら200万円も300万円もロスが出る。会社に負担をもたらす怖い事故なんです。その時、全停事故が起きたときに、いかに早く復旧させるかということが大事で。これから逃げとったら復旧できないです。だからもうぶちあたるしかない。ものすごいプレッシャーがかかってきますよ。「早く復旧させよ」という現場からのプレッシャーですね。それを乗り越えるしかないんですよ。だから1日で復旧できないときもありました。それは甘んじて受ける耐えるわけです。でもそうするとそれが自分の活力になっていくんです。

――― 耐えて、復旧させることが経験となって、また活力になっていくんですね。

プレッシャーは負担として残ってくるけども。そして何より一番大事なのは、その事故を起こした原因を自分に作らないようにすることです。

――― キッチリと点検することですね。保安規定通りに。

そうですね。でも今の現役の人もね。あんまり記録とってない人も多いと思う。

――― 保安規程も知らんままやらされてる場合もあるみたいですね。

でも最初に届けはあるはずなんですよ。選任されるときに。だから何かあった時、役所は必ずそれを突いてきますから。

――― 人が主任技術者になる怖さもありますけど、会社も電気主任技術者がそれだけ責任のあるポジションなんだっていうことも分かってほしいですね。

あんまりないんです。人ごとのように思ってるんです。工場長にしてもね、最高責任者の代表取締役とかね、それがあんまりない。いざ何か事故があった時に…

――― それもひどい話ですよ。

でもそらそうですよ。電気事業法なり、電気施行規則なり施行令などで決まってるんだから。矢面に立たなくてはいけない。その覚悟をしないと。だから自分の職責というのを全うするべき仕事を毎日しようということですね。一旦ことがあった時に、自分のガードになる規則、法規これを守る

――― 原因を自分に作らないようにするということですね。

逃げるという意味じゃないですよ。それが私の場合はそれによって助かったわけなんです。これがもしその記録がなかった時に、どういう展開があったのかと想像すれば、ぞっとしますね。だからそういう恐ろしい、ただ職責はきちっと全うするという気持ちで仕事につく。逆にその対価として給料もらっていますから。

事故というのはあるわけですから。予期せぬ事故は起きる。その時は逃げたらいけない。それを自分の糧に肥やしにしないと。私は何十件もそういう現場でやってきているわけですから。まあ追いつめられる場合もありますから。そういう時に逃げてしまえば終わりです。そこでハードル乗り越えてやっていくと。それが技術者、エンジニアです。ノーベル賞受賞者もおんなじです。失敗もたくさんあるんです。そこに成功があってね、失敗は誰もあんまり言われないけども、ものすごい失敗があるはずですわ、ノーベル賞とるまでに。だからそれがあってそれを乗り越えるから最後にいい結果が出てくる。もう電気主任技術者であろうが何であろうが、エンジニアはそういう宿命があるわけなんです。

――― だからこそ格好いいんですよね。

現場で生きていくためには。ただ現場を繰り返す。その現場の数があって、私の今があるわけなんです。


~ (株)ミズノワの水島とレジェンド高田先生との対談 ~

――― 僕は折角ここカフェジカを構えたので、電気に興味のある高校生から、高田先生のような電気に関わる仕事をしている人たち、色んな人たちとこの場所で電気を中心に交流したり、物作りに触れたりしてほしいんです。

そうですよね。そこから、こういう電気に関わる資格を持った人をね、養成しないといけない。施工管理士はもう少ないんですよ。なかなか勉強される方も減ってきたし。合格率もだいたい40%ぐらいでしょ。もっと若い人がね資格を取ってほしい。今、災害があっても、現場に若い人がいないんですよ。これは何とかしたいんですけどね。

――― これ経済産業省が出している主任技術者の年齢比較なんです。主任技術者の年齢、もう65歳以上ばっかりなんですよ。今こんな状態なんです。

それは無理なんですわ。昔は電験3種を目標にしていたんだがなあ。そういう時代じゃなくなって、今はとにかく楽に楽に、汚れない仕事を選ぶのかなあ。

――― モノ作りがなくなると街の災害の復興も遅れますし。

今もう遅れてますわ。

――― 今でも人が足りないですもんね。

経済産業省は電気技術者の人材不足を何と上げておられます?

――― 電気保安協会の場合ですが、色々あるんです。

一番大きなのは?

――― 認知度が足りてないんですよ。

電気科でも?

――― 電気主任技術者に特化してですけどね。

学校の先生は何を目標にさせてるんでしょうか?わたしらの時代は電験3種を目標と言う風に教えられたけどね。

――― 主任技術者の認知のきっかけは親族に身内がいたとか。前職中に知ったとか、就職後に知ったとか。実は最初就職の時には知らないというのが、今、経済産業省で言われているんです。

そうすると他の方向に行ってるわけだけど、どこへ?

――― 電気と全然関係ない仕事ですね。飲食店で働いたりとか。折角電気科を出ているのに… だから僕はこの場所が、工科高校である城東高と布施高に挟まれてるんだから、電気のことをちょっとでも興味持っていきましょうよっていう話をどんどんしていきたい。

それを広めたいですなあ。それを学校の先生からもそういう風に教育する方針を立ててもらいたいくらいや。電気科の先生は何を目標に教えておられるのか。私らの時代は電験3種が大きな目標だったんです。そうか、それを何とか人材を増やしてもらう様にしないと。これは電気業界だけではないですよね。

――― 電気工事士も足りてないっていうのはやっぱり経済産業省も言ってるんですせど、やっぱり僕みたいな民間業者がどんどん発信していく力も必要かなと思っています。

ここをスタートにしてグンッと広げて頂ければ。やっていきましょう。お願いしますわ。ここから進出していきたいですわ。ところで保安協会さんの将来性はどうですか?

――― 保安協会さんも色々ありまして、

若い人が少ないっていうのも困ったことですが、ただ定年退職した60代の補強はできる訳でしょ?

――― それもそんなに多くないんですよ。

じゃあ退職された方は皆さん、何されるんですかね?

――― 家に入っていく人も多いし、あとは、実務経験が5年必要だっていうのもネックなんです。多いのは5年経験していたという証明のために前に勤めていた会社のハンコをもらわなあかん。それがよう言われへんとか。会社も言われてもハンコを押さへんとか言う事例も結構あるので、僕は間に入ってハンコに押してくださいっていうのをサポートしていきたいと思っています。

そういえばこないだ、講習会でお会いした人、電験3種2種ももってるんですわ。でも60歳定年時に、実務経験がない。だから電験あっても、保安協会に就職できない。

――― そういう方も見てきたんです。一方で今、ビルの管理会社さんも大型案件が増えてきてまして、専任で主任技術者を常駐でさせなあかんと。だけれども電験3種を持っている人がいないんだとか、太陽光も選任させないといけないけども人がいないとかいう場合もあります。それは実務経験の5年の縛りがないんです。でも人が欲しいっていう状態なんです。だから、僕はそういう電験3種持ってて実務経験ない方に、太陽光とか常駐案件をご紹介して実務経験を積んでほしい。

――― それいいですね。

そしたら今度は保安協会で働けるようになっていくんで。

――― 兵庫県のミカン畑を更地にして太陽光を設置された業者がおられてね、特高なんですが。どうしても電験2種の免許いると。私にどうしたものかと言われて。じゃあちょっと2種の方が見つかるまで、私やりましょうかと言って、しばらく現場に帰ったことがあるんですわ。2,3カ月。そういう所もね、紹介してあげたら。太陽光もこれから人材がいると思う。

――― そうですね。実務経験を積みたい方とマッチングさせていく事も、どっちも喜ばしい事なので。そういうのも仕事の一つとしてさせて頂いています。あとは電験3種を持ってても主任技術者になってない子もいるんです。

もったいないな。でもその子がやる気がなければ仕方がないなあ。

――― これも経済産業省の資料なんですけど、電験3種を持ってる人は全国で21、2万人あたりいるんです。ただ保安協会で働いている電験3種の人間は1万6000人ぐらいしかいないんですよ。だから20万人の人は保安協会で働いていない。色んな理由があるんですけどね。

仕事に意欲がある人がやってほしいですね。ただもう定年60才時代じゃないですよ。人生100年の時代にね。

――― 自分でキャリアを積んで生涯現役で働けるようになっていかないと。

そうそう。これからおそらく60歳で仕事辞める人が減ってくるでしょう。でも今は定年退職した人はそこそこ年金貰えるんです。だから何とかやっていけるというので、リタイアしてるんだけど、これからはそうはいかんから。

――― やっぱり働くことで健康になるとも思うので。

もちろん私みたいに生涯現役の人間もおれば、早々にリタイヤという人もおるし。色々おるとは思いますけどね。ただもうちょっと働き手欲しいですね。もったいないですわ。

――― そういうサポートもやっていけたらと思っています。

いいことですね。

――― ありがとうございます。




Produced By MIZUNOWA.co

ミズノワは、電気技術者を応援します。
技術者に必要となる資格サポートをされている方
ミズノワまでご連絡ください。
一人でも多くの方に興味を持っていただけるよう、
著者の方にフォーカスした情報を発信させていただきます。
TEL:06-6743-6361 Mail: info@mizunowa.jp
ご興味のある方は、ミズノワまで。