第1話 異世界転生したけど電験のおかげでなんとかなった件。


第1話 まじかよ電気主任技術者 の巻
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俺の名前はシゲル

ひょんなことから
今俺の目の前では
顔色が緑で
鼻の高い、
「THE ゴブリン」
らしき小人のオッサンが
フランクにも話しかけてきている。

『いやー
 この前、全フロアの便器が同時に詰まっちゃってさー』



このゴブリンの名前は「タケシ」
こっちの世界では俗に言う商業ビルの管理会社で
便器の詰まるところの作業員をしているらしい。



『そうなんですね。
 この前は漏電の話をしてましたけど、
 なかなか毎日大変ですね。。。』



最初はビクビクしていたけど、
話をしてみるとイイやつだ。
見た目は今にもナイフで襲い掛かってきそうな顔立ちだが
それは俺のRPGゲームの先入観が強すぎたのかもしれない。
中身はそのあたりの、東大阪を歩くオッサンと何も変わらない。



俺も・・・



慣れたものだ・・・・



しみじみ思う。




そう・・・




ここは・・・





異世界・・・




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異世界転生したけど 
 電験のおかげでなんとかなった件。

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第1話
 
 まじかよ電気主任技術者 の巻

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あの日。



思い返せばきっとそう、




「あの日」

が、人生の分かれ道だった。




《 電気主任技術者3種、尚良し 》




なおよし、って何だ??


聞いたこと無い会社だけど、

給料いいし、

そこで働くスタッフの写真が、

なんか楽しそうだった。



電気主任技術者試験3種は無いけど、


仕事内容として記載される

・電気のCaféでワイワイする


っていう、超絶アバウトな仕事内容に、

日々の喧騒から解き離れたい一心で

(なんか緩そうな社風だし、こんなとこで働きたいな)

と、転職の面接を応募したのだった。




「どこでも転勤できます!!!」




環境を変えたい・・・


新しい自分をスタートしたい・・・・



面接担当は

背の高いスラっとした女性。

電気のイラストレーターらしい。

隣に、

茶髪で若作りをする微オッサンが腕を組んでいる。

物腰が柔らかいが、社長らしい。

「どこでも、って、、、
 ほんとにどこへでも転勤できますか?」

もう、前の職場へは強気にも
辞めてやるぜコンチクショー!
と言ってしまった状況でもあり、

俺はアピールするしかなかった。

「大丈夫です!!」

「そうですか・・・電気主任技術者試験、電験3種はお持ちですか?」

「あ、
 あれ、、、書いてませんでした??
 電験3種、尚良しのやつですよね。
 ありますあります。ちょっと免状を無くしちゃったんですけど。。。」

俺は嘘をついた。

尚よし、くらいの話だから、そんなに重要でも無いのだろうし、

数か月後に受験日らしかったので、

採用になれば受けに行けばいいと安易に考えていたのだ。。。


これが

俺の人生、

世界を、、、、

ぶっ飛ぶように大きく、

変えてしまうことになるとは知らずに・・・・・


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第2話
 電気主任技術者のコンチクショー! の巻  つづく

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